▼1回戦はコチラ▼
こんにちわ。
“俺たちの絶対兄貴"こと吉田沙保里選手と自分がタメであることを知り、人にやさしくされた時と同じくらい自分の小ささを知りました、僕です。
大方の予想通り、安定した王者の戦いをみせて貫録の1回戦突破。
続きまして準決勝です、どーぞ。
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【M-1(マジでワンちゃん好き)グランプリ】―準決勝―
俺「ヘイ!ワッツアップB-BOY!」
B犬『やかましーわ。ご機嫌に話しかけんなや』
俺「朝からなんでそんな機嫌わるいの?」
B犬『お前のせいだろ。お前が最近、散歩連れていかねーからだよ』
俺「ごめんってー。最近忙しくてさー」
B犬『なんだよ、忙しかったら散歩連れていかなくていーんかい?』
俺「そんなわけじゃないけど…」
B犬『ワシな、こないだ散歩に連れてってもらった時に気付いたことがあるんだよ』
俺「えっ何に?」
B犬『生きがいだよ。ワシにとっての生きがいは"散歩"なんだってことにやっと気づいたんだよ』
俺「いや気付くのマジ遅くね?それ1択しかありえなくね?」
B犬『やかましーわ!夢に遅いとか早いとか関係ないだろーが!』
俺「まーたしかにね」
B犬『やっと自分の生きがいを見つけたんだ。たしかに周りの犬より気付くのが遅いかもしれん』
俺「確かにあの仲良しのドーベルマンとかピットブルは気付くの早そうだもんね」
B犬『誰だよそいつ。そんな友達いねーよ。なんでそんな悪そうな犬が友達だと思ってんだよ!』
俺「おっ!Zeebra!」
B犬『誰がジブラや!誰が鼻息荒いシマウマや!犬だろが!』
俺「裏の道を歩き見てきたこの街ですもんね」
B犬『裏の道じゃなくて"散歩道"を歩きたいって話をしてんだろーが!』
俺「で結局どーしたいの?」
B犬『とにかくな、夢を追いかけるのに年齢なんて関係ないんだ!だからワシは…世界一の…世界一の「散歩王」になるんだ!』
俺「あ、そう」
B犬『あ、そうじゃねーだろ!もっと心に響けや!いま犬にしてはスゲーいいこと言っただろーが!それに散歩ひとりじゃ無理だろーが!お前のお力添えが必要だし!』
俺「いや諦めるな。その肉球でドアノブをグイってやればいける」
B犬『ゼッタイ無理だよ!むしろこの肉球が大いに邪魔だよ!せめてなんか専用のグローブとかないんか?』
俺「玄関のドアをひとりで開けーよぉぉーーう!!」
B犬『それは"globe"じゃねーか!そっちじゃねーー!!』
俺「さっきからキャンキャン吠えてねーでさっさと挑戦してみろって」
B犬『だから1人じゃムリムリムリムリ!』
俺「おっ!DA PUMP!」
B犬『誰がDA PUMPや!もうふざけんなって。お前ちゃんと愛せや!この愛の重さは超ド級て言えや!』
俺「おっ!DA PUMPのケン!」
B犬『やかましーーわ!うまいこと言ってんじゃねーよ!』
俺「てかもう年なんだからそんなに興奮するなよ」
B犬『ほんとだよ。俺はもう12歳だよ。人間だったら幾つぐらいだと思う?』
俺「うーん、王(ワン)ちゃんくらい?」
B犬『そうだよ、うまいこと言った上に当たりだよ。王監督くらいの年齢なんだ…』
俺「そっか・・・頑張って長生きしてくれよ」
B犬『もう俺は恋もできないんだろうな…可能性はないんだろうな…』
俺「いや諦めるな。まだワンチャンくらいあるんじゃね?」
B犬『やかましーーわ!!うまいことばっか言いやがって!だったらそのワンチャンスをワシに提供しろや!室内に監禁されてる犬が、一体どこでそのワンチャンを捕まえろって言ってんだよ!!』
俺「目の前にいんじゃん」
B犬『えっ、どこによ!?』
俺「鏡に映った!アナタとふたり!!」
B犬『グローーブやめろや!!これメス犬ちがう、ワシだよワシ!もういーワン!』
手応えあるよこれ!決勝いけるっしょ。コイツはマジで天才犬ですわ。