笑説は事実より喜なりブログ

饒舌な情熱的な笑説家。アイデアは頭の中に腐るほどあるがそれをアウトプットしないまま全てを腐らせてしまうため結果的に何も思いついてない僕のブログです。

「Red Bull 白龍走」の関係者よ、これだけは言わせてくれ!

熊本県美里町にある日本一の長さを誇る3,333段の石段。

その場所で毎年一度、ステアークライムを含む総距離3,333mの上り坂レースが行われる。

それが「Red Bull 白龍走」。

 

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スタートダッシュで心拍は最大まで急上昇し、階段区間では足へ乳酸によるダメージが追い打ちをかける。

2015年に初開催し、今年で3回目の開催。男女各1位の名前とタイムが石段頂上の大会記念碑に刻印される。

まさに真の忍耐力が試されるこのレースこそ、レッドブルが主催することに意味があるだろう。

なんてったってレッドブルのキャッチコピーは「翼を授ける」だ。

いくら登っても辿り着かない石段の頂を目指すランナーにとっては、こんなにも翼が欲しくなることはそうないだろう。

給水エイドは水ではなくレッドブルが用意されている。

レッドブルを飲んだ瞬間、翼を授かったほどの力を与えることが出来たとしたら・・・

そのランナーは一生レッドブルの名と効果を忘れることはないだろう。

俺も今までレッドブルは何度も飲んできた愛飲者だが、翼を授かったほどの効果を体感したことはない。

てゆーか走ってる時や運動してる時に飲んだことがない。

この大会で「普段の生活では気づかなかったレッドブルの本当の力を体感したい」と思い、俺は参加することにした。

もちろん参加するからには完走が目標だ。

しかし、一番の目的は「レッドブルが持つ本当の力」を知ること。

エナジードリンクと謳っているわけだ。

翼を授けると謳っているわけだ。

そう歌っているのならば、その効果を存分に魅せつけてくれよと。

さすれば俺は今後の人生、レッドブルガール以上にレッドブルを背負っていくつもりだぞ。

 

そして迎えた大会当日。

開会式でスタッフよりこんな説明があった。

 

「レース途中の給水は1600段目の一か所しかありません。そこでレッドブルを配布しております」

 

なんだと。給水は一か所しかないのか。

まーでも走行距離はたったの3キロ強だもんな。

それくらいだから一か所で十分なんだろうな。

それに頂上まで3333段だから、ちょうど半分地点か。

やっと半分まできた達成と疲労感、そして水分を欲する渇きが極限状態まで達して時の水分補給。

飲んだ瞬間に「あれ?なんか僕の背中に翼生えたんじゃね?」ってキンキキッズ口ずさむほどの力を与えてくれるのかもしれないな。

そう考えたら不安などひとかけらもなく、期待感と高揚感とレッドブル愛だけが増殖する中でレース始まった。

 

スタートダッシュでまず1.2kgの上り坂ランを経て、石段へ。

いやちょっと待って。余裕ぶっこいてすいませんでした。

まだ石段にも着いてないのに、すでに心拍数がガンガンズンズングイグイ上昇。

スタート直後で歌い終わった今井メロばりに周りから突き放される。

すでに今ヘロヘロだが、こんなところで終われない。

「夢に描いたショータイム!デカイ理想は夢じゃない!」

て歌ってたらなんとか石段到着。

「スタート前の深呼吸!パイプショーでmaking making dream!」

と、さっきから誰も覚えてない今井メロのラップ歌いながら再スタート。まだキンキキッズは口ずさんでないぞ。

 

さぁこっからの石段の階段区間は、とにかく足へ乳酸によるダメージが追い打ちをかけてくる。

いやいやちょっと待って。ラップ歌ってすいませんでした。

とにかくキツイっす。

たったの3333mなのに地獄っす。走ってないのに息切れ半端ないっす。

まだ石段500段目くらいなのに「あれ?ここ砂漠じゃね?」と錯覚するほどの枯渇感。

やっとの思いでたどり着いた石段1000段目くらいでは「あれ?俺ピラミッド作ってね?」と幻覚みるほどの奴隷感。

汗と渇きが疲労が全身を蝕む。

もう駄目だ、マジで飲み物が欲しい・・・

俺はこのまま奴隷として死んでいくのかと思ったその時!

石段の前方から彩豊かな光り輝くものが目に飛び込んできた。

 

あれは、、、、天使だ!!!

 

石段の1600段目付近、遂にレッドブルガールが降臨!

やっと、やっとオアシスに辿り着いたぞ!

人生でこんなにレッドブルを欲する日が来るなんて思いもしなかったよ。

エナジードリンク舐めててすいませんでした。

昔のケイン・コスギ&宍戸開が断崖絶壁で「ファイトぉぉぉおおおいっぱぁぁぁあああつ!!!!」とか叫んだ後にオロナミンCを飲んでる映像みて、いや常温じゃ美味しくないだろって思った挙句、水筒持参してない時点で山なめすぎだろと冷めた目で見てた自分が情けないよ。

ケイン、俺が悪かった。

俺も今日、水筒持参してなかったよ。

開、お前はどこ行ったんや。

帰ったらしっかり芸能活動チェックするよ。

 

とにかく今の俺はもう常温でもいいんだ。はやくエナジーを与えてくれ!

俺はエンジェルの笑顔を目印に、もはや四足歩行で這いつくばりながら石段を登り、エンジェルのもとへ辿り着いた。

息を切らし、汗を流し、喉カラカラの状態で手を伸ばす。

すると、レッドブルガールがこう言った。

 

「ごめんなさーい!もう無くなりましたー!頂上で貰ってくださーい!」

 

 

おいて!翼の折れたエンジェルかて!!

 

お前ら中村あゆみかて!!!

 

 

マジでないはないだろーーー!!

翼を授けろやーーー!!

てか、もうゴールまで飲めないじゃん。

まだキンキキッズ歌えてないじゃん。

頂上まで残り半分の時点でもう死にそうなのに・・・

 

てかさ、おかしいよね。

そりゃたしかに先頭集団に比べたら遅いよ僕は。

でもさ、まだ後ろに何百人もいるよ。

なのにレッドブル売り切れってなによ。

参加人数は全員で1000人しかいないだよ。

最初から1000人ってわかってるだよ。

1000本以上用意しとけよ運営!

絶対一人二本以上飲む人もいないと思うけど、保険かけて参加人数+αは用意しておかないとだめでしょ。

飢え渇きを与えるなよ。

遅かりし者へ試練を増やすなよ。

 

本当に怒りを覚えて1600段目を後にした俺。

しかし、人間っては凄いな。この怒りが力に変わったのか、絶対に死ねると思ってたのになかなか死なない。

そしてなんとか3000段目に辿り着いたが、ここで制限時間の60分タイムアップになってしまった。

そこでスタッフから「頂上で表彰式が行われますので、終わるまでここでお待ちください」


とりあえず悔しい。完走できなくて悔しい。

そして待つよ。表彰式が終わるまで待つよ。

たださ、俺のこの渇きをどうにかしてくれ。

そんな減量に苦しむボクサー状態の俺に、福岡のテレビ局「ドーモ」の撮影で来ていた可愛い女性レポーターが追いついた。

ふと足元に目をやるとコンバースのスニーカー。

 

コンバースかて!!

 

この大会でコンバースでレースに挑んだのは絶対キミだけだよ!

日本一の石段レースだぞオイ!遠足と間違ってきたのかよ!

つい声をかけたら「今日何の取材かわからなくてきたんですよー!(笑)」だって。

何の撮影かわからないで無理やり参加させられたカワイ子ちゃんに最終的に並ばれる俺の情けなさは半端なかった。

いや、そんなことより俺はこの渇きをどうにかしてほしいんだ。

耐え難きを耐え、忍び難きを忍び、そして遂に頂上の表彰式が終わった。

俺は残り333段を勢いよく走りだした。

 

うおおおおおおお!!!!

とにかく飲ませてくれレッドブルをおおおお!!!!

 

はっきり言って、ここから登っても記録はないのだ。

つまりこの大会に参加したとみなされないのだ。

だから引き返すこともできるのだ。

でもここから登る人は恐らくもう自分との闘いだろう。

でも俺は違うぞ。

ただ喉が渇いてレッドブルが飲みたいだけだ!

こんなにもレッドブルが飲みたいと思うなんて生まれて始めてだ!

レッドブルが飲みたい一心のみで頑張った俺は山頂に到着!

 

 

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※「26分36秒」で優勝したノーマークの選手にメディアが殺到風に撮れた奇跡的の一枚。

 

とにかく俺は早く飲みたい。

愛しのレッドブルが飲みたい。

朦朧とする意識の中、遂に前方から笑顔のレッドブルガールを発見!

そうだ、あのエンジェルの笑顔が目印だった。

俺は両手で両膝を抱えながら、最後の力を振り絞ってエンジェルのもとへ駆け寄った。

息を切らし、汗を流し、喉カラカラの状態で再度手を伸ばす。

すると、レッドブルガールがこう言った。

 

「ごめんなさーい!もう無くなりましたー!下のメイン会場で貰ってくださーい!」

 

 

おいて!天使のような悪魔の笑顔かて!!

 

お前ら近藤真彦かて!!!

 

いいかげん翼を授けろや!!

 

ジャニーさんがタッキーに授けたように、

 

俺に翼を授けろや!!!!

 

 

本当に怒りに震えました。

Red Bullさん、なんでこんなにレッドブルないんですか?

なんで参加人数分用意してないんですか?

翼を授かれると思ったのに、なんで辛さを授けるんですか?

俺は涙を流しながらメイン会場に戻りましたよ。

 

でもね、怒ったけど、悲しかったけど、やっぱりレッドブルが飲みたいんだ!

俺は大好きなレッドブルを飲みたいんだ!

いま日本で一番レッドブルが飲みたいのは俺だと自負しながら、メイン会場のレッドブルガールを見つけた。

 

でもまだ騙されないぞ。

今まで何度裏切られてきたことか。

腹が痛くて我慢して我慢してやっとトイレ見つけて安心したら入ったら、個室使用中だった時と同じだ。

まだここで安心ちゃダメだ。

恐る恐る近づいてみると・・・

 

 

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ある!レッドブルがある!!

 

やったー!今度こそ間違いない!

息を切らし、汗を流し、喉カラカラの状態で再々度手を伸ばした。

すると、レッドブルガールがこう言った。

 

 

「ありがとうございます!300円になります!」

 

 

 

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ええええええええええええ!!!!!!

 


嘘でしょおおおおおおおおお!!!!!!

 

 

 

まさにAKB総選挙で結婚宣言した子のファンと同じ気持ちです!

こんなに運営に文句言いたいのは初めてです!

Red Bull 白龍走」の関係者よ。

レッドブル愛に溢れている俺の声を聞いてくれ!

せめて参加者は1本必ずレッドブル用意してください。

レッドブル飲めなかった人、俺以外にもたくさんいたはずです。

こんな沢山のレッドブルガールは用意しなくていいから。

レッドブルガールじゃなくてレッドブルを用意してください。

 

 

いや、やっぱそれは嘘です。

 

レッドブルガールは必ず用意してください!必ず!

そして俺は来年も必ず出ます。

だから改善されていることを心より願ってます。

 

今回は仕方なしに300円払ってレッドブルを飲みましたよ。

はい、もう翼生えた感じはゼロでしたが美味しくいただきました。

で、ですね。帰りの途中にコンビニよったんです。

 

すると、

 

 

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会場で買ったレッドブルより安く売ってありましたとさ。

 

 

僕の心はひび割れたビー玉かて!!

 

歩道の空き缶蹴っ飛ばすぞ!!!

 

やっと歌えたけど歌いたかったのコレじゃねーぞ!!!!