こんにちわ。
飛行機の離着陸のたびに何ともない平気な顔をしているが、実は全然何ともなくない、僕です。
何ともないわけがない。
特に離陸体制に入って猛スピード出してる時の『え?まだ浮き上がらなくて大丈夫なん?』ってのは毎回感じている恐怖。
本当に怖いんです。
前方なんか全く見えてないのに乗客みんな安心しすぎ。
滑走路の長さどれくらいか確認もしてないのに信じすぎ。
中には余裕すぎて読書なんか始めてる勇敢な戦士もいる。
ミスチルのシーソーゲーム以来、二度と出会うことはないと思ってた勇敢な戦士が機内には結構いるし。
みんな凄いっすねマジで。
俺なんか不安で胸が押しつぶされそうで、機内中の誰より心がシーソーゲームなんですが。
そして、そんな勇敢な戦士たちのせいで俺だけビビってるみたいな感じになってるのがイライラする。
これと似たような話で俺が凄くイラついてることがある。
まず下の写真を見てもらいたい。
これくらいの雨が降っているとき、皆さんはワイパー使いますか?
俺はね、もう余裕で使います。むしろ張り切って使います。
別にこれくらいの雨なら使わなくたって見えることは見えますよ。
でも頑張る必要なんか全くないじゃないですか。
ワイパー動かすことで別料金が発生するなら我慢します。
でも有料じゃない。それに指先ちょいと動かすだけですぐ動くから面倒でもない。
だから俺はすぐに「ワイパーレベル1」を作動させるんです。(呼び名がわからないけど通じるはず)
でもね、これくらいの雨で「ワイパー使わない人」っているでしょ。
あれする人って一体何なの?
マジで嫌いなんですけど。
「俺、雨なんか全然ビビってないし」っていうアピール?
すぐワイパー使ったらダサいって風潮?
これね、みんなが思ってる以上に俺は本気でイラついてて。
このスタイルの人に言いたくてしょうがない!
もう雨が降ってるだろ!って。
お前のまぶたが濡れてるんじゃないだろ!って。
内田篤人が電撃結婚したからって泣いてるんじゃないだろ!って。
むしろ涙であっても拭え!って。
パラパラの雨でも確実に降ってるだろ!って。
パラパラのチャーハンならスプーンを使うくせに、パラパラの雨ならワイパー使わないのはおかしいだろ!って。
パワハラとセクハラはするくせに、パラパラの雨じゃワイパーしないって、そもそも人としておかしいだろ!って。
このオジサン変なんですって警察呼ぶぞ!って。
まだ肉眼で前が見えるとか見えないとか関係ないんだよ。
使えよ!
今すぐそのワイパー使えよ!
ホットペッパーと一緒だよ!
無料だから今すぐ使え!
ちなみに先日コンビニでホットペッパー持って外に出たら万引きと間違われて店員に「会計終わってませんよ!」って上から目線で腕掴まれたことがあるけどな。(真実)
イラってしてその掴まれた腕をワイパーの動きで振りほどいて『ホットペッパーだよコレ!会計してみろや!』って店員にキレたら「クーポンはご利用ですか?」って言われたから『ハイ』って言ったけど。(大嘘)
『とにかく今すぐワイパーを使えや!!!!』
というのをその運転をしてる人を見かける度に毎回思うわけです。
そしてこの話を友人にするんですが、俺みたいなモチベーションで共感してくれる人間に出会うことはなかった。
そんなある日、ついにこの話に激しく共感してくれる男が現れた。
この話をしていると「僕もそれずっと思ってたんだ!」と興奮して話に割って入ってきた彼。
「人に心配させるような運転をする人は大嫌い!」
「本当に僕と同じ考えの人がいて嬉しい!」
と声を張り上げて喜びを表してくれた。
なんかそこまで喜んでくれたからこっちも嬉しい。
だから『コイツの車なら同乗しても心配ないな』という気持ちが俺に芽生えていた。
それから数日が経ち、俺は彼の助手席に同乗する機会に巡り合った。
その日、奇しくも天気は雨だった。
でもこの日はシンプルに「雨」だった。
突然降り出したとか小雨とかいうわけでもなく、一日中ずっと雨。
二人で車に乗り込んだ瞬間、彼はフロントガラスを指さしながらこう言った。
「くっくっく。これな、これ」
薄ら笑いを浮かべる彼は、どことなく勝ち誇った顔をしている。
いや、わかるよ。君が言いたいことはわかってるよ。
この間の話を覚えててくれたんだよね。
雨降ってるもんね。「ワイパー使うぜ」ってことよね。
ワイパー使わない奴がイラつくって話をしたもんね。
共感してくれたもんな。
言葉に出さずともわかってるよ。ありがとう。
でもね、今回の状況だとちょっと違うんだよ。
この雨でワイパー使わない奴はいないじゃん。
それはただのバカじゃん。これ普通に雨降ってるし。
俺が伝えたい的確な「雨量」じゃないんだよなー。
でも別に責める事でもないんで俺も笑顔で『お、おう』と答えた。
『言いたいこと、わかってるぜ』ってサインを送った。
そして彼は車を走らせた。
それと同時にもちろん、ワイパーも走らせた。
だがそのワイパー音は、俺の想像をはるかに超えた衝撃の音量だった。
ヴァァァァッッシュ!(シャッ!)
ヴァァァァッッシュ!(シャッ!)
ヴァァァァッッシュ!(シャッ!)
ヴァァァァッッシュ!(シャッ!)
ヴァァァァッッシュ!(シャッ!)
ちょっ待て待て待てーーー!!!
そのワイパー止めろーーー!!!
ワイパーレベルMAX止めろーーー!!!
今すぐ落ち着けーーー!!!
過呼吸ストーーーップ!!!
始めてみたよ。普通の雨でワイパーレベルMAX使う奴。
それ使うのって年に一、二回あるかないかのレベルだろ!
そうだよ!
「シャーシャンクの空に」の感動の脱獄シーンくらい雨降ってないと使わなくていいよ!
てかあの大雨降るまでに主人公は何年待ったと思ってんだよ!
そんじゃそこいらの雨じゃねーんだよ!
こんな普通の雨でワイパーレベルスーパーモンキーズ(のちのMAX)使ってんじゃねーよ!
ふと彼の顔を見ると、満面の笑みを浮かべてこう言ってきた。
「くっくっく。これな、これ」
その時にやっと俺は気づいた。
『あ、こっちの方が全然イライラするわ』
つまり結局、何でも「さじ加減」が大事ってことですね。
恋愛とかでもあるよね。
「束縛する人」は嫌だけど、「ヤキモチ妬かない人」もそれはそれで嫌みたいな。
「静かな人」は嫌だけど、「うるさい人」もそれはそれで嫌みたいな。
あれ?それって俺のことじゃん。それはそれでオワタ。